Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme
道子夫人はこのあたりに用事があって、今、かえり道であったのだ。
そんな有名な夫人だとは、房枝は、すこしもしらなかった。房枝は、ただもうこの婦人が気の毒になって、自分のハンケチをハンドバックから出すと、道子夫人の羽織のうえの泥を吸いとりはじめた。が、このハンケチも、すぐまっ黒になってしまった。
「ああどうぞ、もう、そのままで」
と、道子夫人は、つつましく、恐縮して、房枝の好意を辞退した。
「でも、たいへんでございますわ」
「いいえ、わたくしが、不注意なのでございました。あなたのお姿につい見とれていましたものでございますから」
「あら、いやですわ、ほほほほ」
と、房枝は赤くなって笑った。
「いえ、それが、ほんとうなのでございますの。お嬢さまは、しつれいですが、今年おいくつにおなり遊ばしたのでございますか。お教え、ねがえません?」
「まあ、はずかしい」
「ぜひ、お聞かせ、いただきとうございますの。おいくつでいらっしゃいます」
なぜか、道子夫人は、道ばたで会った初対面の房枝の年齢を、しきりに知りたがるのであった。なにか、わけがありそうなようすである。
「あのう、あたくし、こんなに柄が大きいんですけれど、まだ十五なんですのよ」