Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

「おお、房枝さん」

いきなり、横町からとびだしてきた者があった。

「あら」

房枝は、おどろきの声を発したが、そのままスミ枝の手をとって、急ぎ走りぬけようとした。

「房枝さん、お待ちなさい」

よびとめたのは、ほかでもない、帆村荘六だったのである。

房枝は、どなりつけたいような、むかむかする胸をおさえて足早に歩いた。

「おお、房枝さん」

こんどは、別な声が房枝をよびとめた。なまりはあるが、カナリヤのようにきれいに澄んだ声だった。それはニーナだった。そばには、ワイコフ医師もいた。

「あら、ニーナさん」

「あたくし、待っていました。黒川さん、あなたに会いたがっています。すぐ来てください」

「あら、そうですか。どうしたのでしょう、容態でもわるくなったんじゃありません?」

「ええ、そうです、そうです。黒川さん、至急、あなたに会いたがっています。それからね、房枝さん。あたくし、あなたのために、しんせつなことを考えました」

「親切なことって」

「あなたを、あたしのところで、よい給料で働いてもらおうと思います。仕事は、むずかしくありません」

「そうですか。でも、あたし、この方と一しょに働こうって、約束したばかりなんですのよ」