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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

そのとき署内では、大急ぎで駈けつけた田所検事を中央にかこんで、署長や司法主任や係官の刑事や巡査が、額をあつめて、会議の最中であった。

「そうか、昨日の午後四時か」

と、田所検事は、近眼鏡にちょっと手をかけて、目をしばたたく。

「ええ、午後四時でしたな。トラ十へ、これをさしいれたいから頼みますと、にぎりずしが一折と、鼻紙一帖とをもってきたのです。そこへ出たのが、この間、拝命したばかりの若い巡査だったが、『トラ十へ』という声に気がついて、その巡査を押しのけて前へ出て応接したのが、ここにいる甲野巡査です。甲野巡査の第六感の手柄ですよ。ははは」

「署長さん、第六感なんて、そんなものじゃないのです。そうもちあげないで下さい」

甲野巡査が、頭をかく。

「じゃあ、これから後のことを、甲野巡査から聞こう。話したまえ」

「は、検事さん。トラ十へ差し入れ、というので、私はぎくんときました。だって、これは秘密になっていますが、トラ十は五日前に、ここの留置場を破って逃げ出して、今はここにいないんです。だからうっかりしていると、トラ十なんか、ここにはいやしないぞといいたくなる。しかしそういっては、トラ十の逃げ出したことがばれる。