Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme

Aozora Bunko

こうして道子夫人の話を聞いていると、なんだか彼女自身が、道子夫人のさがしている棄てられた愛児のように思えてくるのだった。房枝の胸は、早鐘のようになりだした。

「ねえ、奥様。お棄てになったそのお嬢さまの名は、なんとおっしゃいますの」

ついに房枝は、思わずそうたずねてしまった。

光明

(お棄てになったお嬢さまの名は、なんとおっしゃいますの?)

夫人が、なんと答えるであろうか。もしも(その名は、房枝といいますのよ)といわれたら、房枝はどうしようかと、胸がわくわくした。多分彼女は、喜びにたえきれなくて、その場に卒倒するかもしれないと思った。

「娘の名でございますか。それは」

と、夫人は口ごもりながら、房枝の顔を穴のあくほど見つめた。

「あのう、娘の名は、小雪と申しますの」

「小雪? 小雪ですか。それにまちがいありませんの」

房枝は失望のあまり、わっと泣きだしたいのを一生けんめい唇をかみしめてこらえていた。

「ええ、小雪ですの。人様の手に渡っても、一旦私たちがつけてやった名前は、ぜひ名のらせたいと思い、メリンスの袷の裏に、娘の名を赤い糸で縫いとっておきました。房枝さん、もしや、あなたの本名は小雪とおっしゃるのではありませんの」