Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme
誰か外から、こっちをうかがっている者はいないかと思ったのであるが、外には、張番の水夫が二人、とつぜん現れた帆村の方を、びっくりしてふりかえったばかりだった。
では、大丈夫?
帆村は、元の席に戻って、口を開こうとしたが、ふと壁の方に目をうつすと、
「おや! あんなところに、一輪ざしの花が」
と、一声さけんで、バネ仕掛の人形のようにとびあがった。平生おちつきはらっている帆村としては、めずらしい狼狽ぶりだ!
予言的中
一輪ざしには、まっ赤なカーネーションと、それに添えてアスパラガスの青いこまかな葉がさしこんであった。それは、精密な器械類のならぶこの船橋内の息づまるような気分を、たぶんにやわらげているのだった。
帆村は、このやさしい一輪挿の花に、目をつけたのだった。
船長をはじめ、一同も、帆村が顔色をかえて立ち上ったので、それにつられて、腰をうかしたが、
「し、静かに!」
と、帆村は、一同を手で制した。そのとき、帆村の手には、どこにかくし持っていたのか、一挺の丈夫な柄のついたナイフがにぎられていた。
帆村は、しのび足で、花活のところに近づくと、目を皿のようにして、花活のまわりをしらべていたが、やがて、大きくうなずくと、ナイフをもちなおし、ぷつりと、花活のうしろに刃をあてて引いた。