Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme
そして信号をしようと、手にもちなおしたとき、彼は、
「あッ!」
と、叫んだ。それは、懐中電灯をもった彼の手を、上の方から何者かが、ぐっとつかんだからである。
「あッ、何者だ。なにをする。手をはなせ」
と、師父は、英語で叫んだ。そのとき師父は、マストのうえから、下をむいて笑っている怪しい東洋人の顔を眺めて見た。それはトラ十だった。
「あははは。ターネフ極東首領こんなところで、怪しげなる信号をしては困りますねえ」
と、トラ十は、流暢な英語で、やりかえして、歯をむきだしてげらげらと笑った。
ターネフ首領!
師父は、ぎょっとしたようすだ。
「なにをいう。首領だなどと、でたらめをいうな。わしは神に仕える身だ」
「神につかえる身だって。へへん、笑わせやがる。神につかえる身でいながら、さっきはなんだって、おれを爆死させようとしたのかい」
「なにをいいますか。あなたは気が変になっている」
「気が変なのはお前たちの方だ。知っているぞ。花籠の中に、おそろしい爆薬をしかけて、おれの前へおいたじゃないか。あの停電のときだよ。ぷーんと、いい匂いのするやつがおれの前へ持って来やがったから、多分それは若い女にちがいない。