Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme
(そう。ほんとうに、力なしの、弱虫なの、じゃあ、あたしが、これから加勢してあげるわ)
(いやいや、めっそうもない。房ちゃんは、僕なんかに、かまわないがいい)
そういって、曾呂利青年は、足がわるいのに、一番高い上段の寝台へのぼり、もう息をひきとりそうな老犬のように、小さくなって、寝てしまうのだった。
夕暮の空の下では、房枝は、一時、両親を恋うるセンチメンタルな可憐な少女にかわるが、ふだんは、すさまじい世渡りにきたえられて、十五歳の少女とは見えないほど、きびきびした少女だった。
房枝は、松葉杖をついた曾呂利のあとから、三等食堂の中へ入っていった。
ひろい食堂は、電灯も明るく、食慾のさかんな三等船客が、もう一ぱい、つめかけていた。皿やナイフの音が、かしましくするだけで、だれも、むだ口をきく者がなく、一生けんめいに皿の中のものを、胃袋へつめこんでいた。
トラ十も、さかんにぱくついているので、曾呂利青年や房枝の入ってきたのも知らぬげであった。
「おい、ソースだ、ソースだ。ソースのびんがないぞ」
トラ十が、たくましいこえで、どなった。
「ソースのびんは、目の前にあるじゃないか」