Japanische Klassiker mit Furigana
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ちちのそうしき
父の葬式
葛西 善蔵
Lesen Sie 父の葬式 (ちちのそうしき) von 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.864 Zeichen · 12 Bildschirme
「その代り三年忌には、どうかしたいと思いますね。その時にはいっしょの仏様もだいぶあるようだから。今度はこんなことでおやじに勘弁してもらおう」と、私は父とは従妹の、分家のお母さんに言った。
「ほんとにそう思いますか? ほんとにそうしておあげなさいよ。あなたのとことわたしのとこくらいのものですよ、本家分家があんな粗末な位牌堂に同居してるなんて。NのにしてもSのにしてもあんなに立派でしょうが……」お母さんは感慨めいた調子で言った。同姓間の家運の移り変りが、寺へ来てみると明瞭であった。
最後まで残った私と弟、妻の父、妻と娘たちとの六人は、停車場まで自動車で送られ、待合室で彼女たちと別れて、彼女たちとは反対の方角の二つ目の駅のOという温泉場へ下りた。
「やれやれ、ご苦労だった。これでまあどうやら無事にすんだというわけだね。それでは今夜はひとつゆっくりと、おやじの香典で慰労会をさしてもらおうじゃないか」
連日の汗を旅館の温泉に流して、夕暮れの瀬川の音を座敷から聴いて、延びた頤髯をこすりながら、私はホッとした気持になって言った。
「まあこれで、順序どおりには行ったし、思ったよりも立派にできた方ですよ。