Japanische Klassiker mit Furigana
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ちちすぎやましげまるをかたる
父杉山茂丸を語る
夢野 久作
Lesen Sie 父杉山茂丸を語る (ちちすぎやましげまるをかたる) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.127 Zeichen · 25 Bildschirme
そうして負けた方がここに滞在して小さくなっている。勝った方が金策に出る事にしようではないかと云うと、頭山が面白い、やってみようと云うた。ところが頭山のヤツは真黒くて精悍な恰好をしている。俺のに湧いたヤツは真白くてムクムク肥って活動力がないのでドウ見ても勝てそうにない。しかし俺には確信があったから、新聞紙を四ツに折って、その溝の十文字の処で選手を闘わせてみると案の定俺の白いヤツが黒い奴を押し倒おして動かせない。そこで俺が解放される事になって帰って来た訳だが、ナアニ頭山は正直だから、シラミを逃がさないようにシッカリと抓んで出すのだから、土俵へ上らない中に代表選手が半死半生になっている。これに反して俺の方は、選手を抓み出す時から出来るだけソーッと抓んで掌に入れてソーッと下に置くのだから双方の元気に雲泥の相違がある。勝敗の数は勿論、問題じゃないことになるのだ」
これも事実だかどうだか頭山さんに聞いてみない事にはわからないが、その時に家中が引っくり返るほど笑い転げていた事を思い出すと、やはりソンナ話を睾丸の毛を剃り剃り父が話していたのかも知れぬ。とにかく父が帰ると同時に家中が急に明るく、朗らかになった気持だけは、今でも忘れない。