Japanische Klassiker mit Furigana
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ちちおやとじてんしゃ
父親と自転車
小川 未明
Lesen Sie 父親と自転車 (ちちおやとじてんしゃ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.677 Zeichen · 4 Bildschirme
」と、清ちゃんが、いいました。
吉坊は、ただ黙って、悲しそうな顔つきをしていました。
「そうすれば、徳ちゃんと三人で走りっこをしよう。」と、清ちゃんは、吉坊の心なんかわからず、朗らかでありました。
吉坊は、学校で走りっこをすると、選手にもそんなに負けないので、走ることにかけては自信を持っていました。
「自転車さえなければ、いいんだがなあ。」と、吉坊は、考えていました。
けれど、家に帰ると、やはり、清ちゃんや、徳ちゃんたちが、自転車に乗って、遊んでいました。
「清ちゃん、自転車の走りっこをしようか。」と、徳ちゃんがいいました。二人は同じような型の、赤い自転車に乗っていました。
「ああ、往来の、あっちの曲がり角まで、走りっこをしよう。」と、清ちゃんが、答えました。
そばにいた吉坊は、独り取り残されるのが悲しくなって、
「僕は、足が早いんだよ。だから、僕もいっしょに走りっこをしよう。」といいました。
そして、二人が、自転車で走る後から、吉坊は、真っ赤な顔をして、自転車を追っかけたのであります。
ちょうど、この有り様を、外からもどってきた吉坊の父親が、見たのでした。