Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぼたん
牡丹
宮本 百合子
Lesen Sie 牡丹 (ぼたん) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.684 Zeichen · 26 Bildschirme
「飛んだことになって、まことに御迷惑でしょうが、職人衆には何とでもしますから、どうぞよろしくお願い申します。――そりゃ勘が早いんですから、くれぐれも知らん顔でね――ただどうぞ刃物だけは届かないとこへ始末させといて下さい。万一とんでもないことを仕出来したりすると申訳ありませんからね……」
十八日は、空の色が目にしみる快晴であった。五月で、躑躅が咲いていた。濃い紅の花が真新しい色の材木や庭石の馴染まないあらつちに照りかえした。石川からその朝になって事情をきかされた職人達は、
「へえ、そいつはことだ」
と驚いた。
「あんな旦那がおふくろを追廻すなんて話みてえだな。大学もたそくにならねえもんと見えるね」
「どうせ棟は上げられねえが、側をちょいちょいいじくって置くんだな」
九時頃自動車の爆音が裏の松林に聞えた。
「何だい」
「病院の自動車だ」
昼少し前になって原宿と伴立って幸雄が来た。
「御苦労だね」
「いいお天気で何よりでした」
「これからかい」
応待など石川の眼にはどこも異常が認められなかった。そうかと思って見ると、僅に眼が血走っているのと、幾分せかついているくらいが目立つだけであった。