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Japanische Klassiker mit Furigana

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とくしゅぶらくのはんざい

特殊部落の犯罪

豊島 与志雄

Lesen Sie 特殊部落の犯罪 (とくしゅぶらくのはんざい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.455 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

平吉が椿の実いどっさり取ってきてくれるだから、それで洗うと艶が出るだよ。」

「ほう、椿の実でかあ……。」

感心したように云ったが、左の掌で軽く撫で上げる彼女の髪を、なおしみじみと見惚れていた。が暫くして、思い出したように徳利をまた口へ持って行き、きゅーっと吸った残りの味を、舌でぴちゃぴちゃやりながら、鼻をうごめかした。

「おつる坊!」小さな時からの呼び名を大声に口走って、一寸白眼を見張って続けた。「こっちい来てみろ。お前の髪毛どねえ匂いがするか。」

振り向いたつるの眼は急に険を帯びた。

「行くもんか。寄っつくと虱がうつるちゅうだから。」

久七はにやりにやり笑っていた。彼女は眉根に皺を寄せて口を尖らせた。

「煩ったらおとなしゅう寝てるもんだ。」

彼女はあたりを見廻した。釜の湯は煮立っていた。室の隅の板敷の上に、白木の箱膳が散らかっていた。その中から竹皮包みの沢庵を取出して、大急ぎでぶっ切った。それから飯櫃の中を覗き込み、釜の湯を薬鑵に移した。

「飯がまだどっさりあるだから、湯うぶっかけて一人で食うがええ。」

怒った声で云い捨てて、彼女はぷいと出て行った。

久七はぼんやり彼女の動作を見守っていたが、一人になると、表の夕明りをじっと眺めた。