Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうじんはわらう
狂人は笑う
夢野 久作
Lesen Sie 狂人は笑う (きょうじんはわらう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.853 Zeichen · 26 Bildschirme
妾、今でも暗記してるわ……あんまり口惜しかったから……。
こうなのよ……。
……彼女は遂に発狂して、叔父の家の倉庫の二階に監禁さるるに到った。ここに於て彼女を愛していた名探偵青ネクタイ氏は憤然として起ち、この事実の裏面を精探すると、驚くべき真相が暴露した。すなわち強慾なる彼女の叔父は、彼女の母親の財産を横領せむがため、窃かに彼女の母親を殺して、地下室の壁の中に塗籠めたもので、次いでその遺産の相続者たる彼女を不法檻禁して発狂せしめ、法律上の相続不能者たらしめようとしていた確証が発見され、彼女の正気なる事が判明したので、彼女は巨万の富を相続すると同時に、青ネクタイ氏と結婚する事になった。同時に悪むべき彼女の叔父は死刑の宣告を受けて……。
……っていうのよ。ねえそうでしょう。あのお人形さんは、妾に本当の事を教えに来てくれた天使だったのよ。ねえ。そうでしょう。妾、その晩、日が暮れると直ぐに、お土蔵を脱け出しちゃったの……。
いいえ。お土蔵を脱け出すくらい何でもなかったのよ。妾あんまり口惜しかったから、アノお土蔵の二階の窓に嵌まっていた鉄の格子ね。あれを両手で捉まえて力一パイ引っぱってやったら、まるで飴みたいに曲ってしまって、窓枠と一緒にボロボロッと抜けて来たのよ。