Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きょうかしあかちょこべえ

狂歌師赤猪口兵衛

夢野 久作

Lesen Sie 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.418 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

よしんば知って知らぬ振りをしておったにしても、屍体を胴切りにするような大胆者が、襟半に出入りする模様なぞはミジンもない。理不尽に引っ括って痛め吟味にでも掛ければ、直ぐにも冤罪を引受けそうな気の弱い連中ばっかりじゃ。それじゃけにお目付の松倉さんはどっちかと言うと襟半をタタキ上げて事を片付けたい口ぶりらしいが、しかし襟半から手を廻わいて蔵元屋の娘を毒殺するというような筋合いは、どう考えてもないと言うて、私が一人で突張っとるがなあ」

「それは当り前の話じゃ。襟半の内輪を知り抜いとる私が証人に立っても宜え。昔から腕前のない、手柄望みの役人は、すぐに弱い正直者を罪に落そうとするものじゃてや」

「とは言うものの、蔵元屋の方も、家内の模様さえまだわかっておらぬけに、松倉どんもバッタリ行詰まって御座るが、さればとてほかには何の手も足もない。この良助を捕まえては、まだかまだかと言う日増しの催促じゃが、今度の事件ばっかりはイカナ俺も手に立たぬ。これ位、理屈のわからぬ不思議な人斬り沙汰は聞いた事もないけになあ」

「そうたいなあ。理屈のわかる時節が来たなら二度ビックリするような話が、底の方に隠れておろうやら知れん」