Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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どくしん

独身

森 鴎外

Lesen Sie 独身 (どくしん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.012 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

これだけ話してしまえば跡は本当に端折るよ。」

富田は仰山な声をした。「おい。待ってくれ給え。ついでに跡も端折らないで話し給え。なかなか面白いから。」声を一倍大きくした。「おい。お竹さん。好く聞いて置くが好いぜ。」

始終にやにや笑っていた主人の大野が顔を蹙めた。

戸川は話し続けた。「どうも富田君は交っ返すから困る。兎に角それから下女が下女でなくなった。宮沢は直ぐに後悔した。職務が職務なのだから、発覚しては一大事だと思ったということは、僕にも察せられる。ところが、下女は今まで包ましくしていたのが、次第にお化粧をする、派手な着物を着る。なんとなく人の目に立つ。宮沢は気が気でない。とうとう下女の親許へ出掛けて行って、いずれ妻にするからと云って、一旦引き取らせて手当を遣っていた。そのうちにどうかしようと思ったが、親許が真面目なので、どうすることも出来ない。宮沢は随分窮してはいたのだが、ひと算段をしてでも金で手を切ろうとした。しかし親許では極まった手当の外のものはどうしても取らない。それが心から欲しくないのだから、手が附けられない。とうとうその下女を妻にして、今でもそのままになっている。