Japanische Klassiker mit Furigana
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ねこ
猫
豊島 与志雄
Lesen Sie 猫 (ねこ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.725 Zeichen · 6 Bildschirme
もう大きな子供を、婆さんが口に銜えて連れてくる。その方が実はよほど危いのだ。仔猫にはまたそれが面白いと見えて、なかなか親猫の云うことを聞かない。親猫は益々ヒステリー的になる。はては二匹で盛んにふざけちらす。それにも疲れると、日向に寝ころんでなめ合う。入浴の後には、濡れた毛を互になめ合い、寄り添って身体を温め合う。
そういう親猫の態度から判断すると、生後二カ月半もたったその仔猫を、全く生れたばかりのもののように考えてるらしい。而も自分の腹から生れたもののように考えてるらしい。ただ、とんでもない大きな子供が生れた、ということだけは考えないらしい。なお云えば、親猫には、子が死んだ後も母性愛が残っていて、その愛がこの仔猫を対象に選んだらしい。対象そのものが、自分の子か、他人の子か、小さいか大きいか、そんなことには無頓着で、母性愛はただ、本来の自然の働きを働いていったらしい。
対象を無視するそういう母性愛は、広い意味で、極端に唯物主義的である。或る種の吝嗇は、遂には黄金崇拝となる。或る種の名誉心は、遂には勲章崇拝となる。或る種の色欲は、遂には肉体渇仰となる。