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Japanische Klassiker mit Furigana

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ねことしょうぞうとふたりのおんな

猫と庄造と二人のおんな

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.020 Zeichen · 131 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「僕かてそない思われたら叶いまへんねん。」

「もうあきらめてしまいなはれ。人にやってしもうたもん、どない思うたかてショウがないやおまへんか、なあ石井君。―――」

「あのなあ、」

と、それには答えないで、別なことを聞いた。

「あの、品子はいつも二階だっか、階下だっか?」

「二階らしおまっけど、階下へかて降りて来まっしゃろ。」

「家空けることおまへんやろか?」

「分りまへんなあ。―――裁縫したはりますさかいに、大概家らしおまっけど。」

「風呂へ行く時間、何時頃だっしゃろ?」

「分りまへんなあ。」

「そうだっか。そしたら、えらいお邪魔しましたわ。」

「石井君」

塚本は、畳を抱えて立ち上った間に、早くも一二間離れかけた自転車の後姿に云った。

「君、ほんまに行きはりまんのか。」

「どうするかまだ分れしまへん。兎に角近所まで行ってみまっさ。」

「行きなはるのんは勝手だすけど、後でゴタゴタ起ったかて、係り合うのんイヤだっせ。」

「君もこんなこと、福子やお袋に云わんと置いとくなはれ。頼みまっさ。」

そして庄造は、首を右左へ揺さ振り揺さ振り、電車線路を向う側へ渡った。

これから出かけて行ったところで、あの一家の者達に顔を合わせないようにして、こっそりリリーに遇うなんと云う巧い寸法に行くであろうか。