Japanische Klassiker mit Furigana
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ねことしょうぞうとふたりのおんな
猫と庄造と二人のおんな
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.020 Zeichen · 131 Bildschirme
あの時分にはこの匂故にひとしお憎らしかった猫が、今はその反対に、この匂故に如何にいとおしいことよ。彼女はそののち毎晩のようにリリーを抱いて眠りながら、この柔順で可愛らしい獣を、どうして昔はあんなにも嫌ったのかと思うと、あの頃の自分と云うものが、ひどく意地の悪い、鬼のような女にさえ見えて来るのであった。
さてこの場合、品子がこの猫の身柄について福子に嫌味な手紙を出したり、塚本を通してあんなに執拗く頼んだりした動機と云うものを、一寸説明しておかなければならないのであるが、正直のところ、そこにはいたずらや意地悪の興味が手伝っていたことも確かであり、又庄造が猫に釣られて訪ねて来るかも知れないと云う万一の望みもあったであろうが、そんな眼の前のことよりも、実はもっと遠い遠い先のこと、―――ま、早くて半年、おそくて一年か二年もすれば、多分福子と庄造の仲が無事に行く筈はないのだからと、その時を見越しているのであった。それと云うのが、もともと塚本の仲人口に乗せられて嫁に行ったのが不覚だったので、今更あんな怠け者の、意気地なしの、働きのない男なんぞに、捨てられた方が仕合わせだったかも知れないのだが、でも彼女としてどう考えても忌ま忌ましく、あきらめきれない気がするのは、当人同士が飽きも飽かれもした訳ではないのに、ハタの人間が小細工