Japanische Klassiker mit Furigana
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さるとびさすけ
猿飛佐助
織田 作之助
Lesen Sie 猿飛佐助 (さるとびさすけ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.413 Zeichen · 60 Bildschirme
、一に石川、二に忍術で、三で騒がす、四に白浪の、五右衛門と噂に高い、洛中洛外かくれもなき天下の義賊、石川五右衛門とは俺のことだ」
と、名乗った。
が、佐助は、石川五右衛門と聴いても、少しも驚かず、こりゃますます面白くなったわいと、ぞくぞくしながら、
「さては、伏見桃山千鳥の香炉と囁いたは、桃山城に忍び入り、太閣秘蔵の千鳥の香炉を、奪い取らんとのよからぬ談合でありしよな」
と、詰め寄った。
すると、五右衛門は、さては聴かれてしまったかと、暫らく唸っていたが、やがて、大音声を張り上げて、相も変らぬ怪しげな七五調を飛ばしはじめた。
「石が物言う世の習い、習わぬ経を門前の、小僧に聴かれた上からは、覚えた経(今日)が飛鳥(明日か)の流れ、三途の川へ引導代り、その首貰った、覚悟しろ!」
そう言い終ると、五右衛門は仔細ありげに十字を切って、
「――南無さつたるま、ふんだりぎや、守護しょうでん、はらいそはらいそ……」
と、おかしげな呪文を唱えたので、佐助は危く噴きだしかけたが、辛うじて堪えた。
ところが、呪文が終った途端、五右衛門の身体はいきなりぱっと消え失せたかと思うと、一匹の大蟇がドロドロと現われたので、佐助はついに堪え切れず、大笑いに笑った。