Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さるとびさすけ

猿飛佐助

織田 作之助

Lesen Sie 猿飛佐助 (さるとびさすけ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 30.413 Zeichen · 60 Bildschirme

Aozora Bunko

と、しんみりした声で言うと、茶店の女は、

「お侍様、そりゃおよしなさいませ。あの峠には、木鼠胴六といって、名高い石川五右衛門の一の子分が山賊となって、山塞にとじこもり、旅人を見れば、剥ぎ取って、殺してしまいます」

「何ッ! 山賊が……?」

佐助の眼は急に生々と輝いた。

「――こりゃ面白い。雨でも越さずばなるまい」

「まア、命知らずな。悪いことは申しませんから、およしなさいませ。昨日も坊様かお侍様かわからぬような、けったいな方が、俺が退治て来てやると言って、山の中へはいって行かれましたが、今に降りて見えぬところを見ると……」

「あはは……。退治られたと申すか。いや、この俺は、そんな坊主か侍かわからぬような、宝蔵院くずれとは、些か訳がちがう。忍術は封じられても、猿飛佐助、石川五右衛門の子分共に退治られるような、弱虫ではないわ。――おや、何をそのようにそれがしの顔を見ておるのじゃ。そのように穴のあくほど見つめずとも、既にアバタの穴があいているわい。あはは……」

笑いやむと、佐助は武者ぶるいしながら峠道を登って行った。

やがてノッポの大股は山賊の山塞に近づくと、佐助は、