Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 174.521 Zeichen · 344 Bildschirme

Aozora Bunko

インク一つに、これ丈の因縁がもの申すとはおどろきます。大分うっすりしたものね、でもおばアさん自慢して、これだって、うちのは水と粉と分れたりはまさかしませんよとのことでした。手帖のなさ、書く紙のなさ、インクのなさ、雪深いところでの生活を思い起します。

昨日二人かえって来て、やはり二人で又開成山という決定でした。その方がいいわ、わたしは迚も駄目でしたから。これから寿が参ります。そして二十八日にトラックが来れば引越します。随分ピンチのところあぶない芸当ですが、親切な人があって、自分が応召になったら、あとで困るだろうと、その急な間にトラックを心配して、そして出て行った由、奥さんが寿の友達です。

咲が大鳴動をしてさっき出発いたしました。国府津で大働きして来て、又ワヤワヤと荷物こしらえてワーと立ったのですから、一通りの鳴動ではないの。妙なものね、去年の春からあんなにちゃんとしろと云っていたのに病気のせいで気にすると云って、今さわいだって夜具も送れなくて。

咲はもう当分来ないでしょう、国は来月初旬かえるでしょう、何かあったらどうするの? そうしたらいつまでだって帰らないよ。