Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 174.521 Zeichen · 344 Bildschirme
さて、十月二十日のお手紙、二十七日のお手紙、そして、十一月一日の分、どうもありがとう。十七日のための歌謡やタンボリンが、お気に召してうれしゅうございます。「多少ユーモラスな」すいかずらは、自然のめぐりは健やかであって、冬来りなば春遠からじ、ということを大分会得しているらしいから、ユーモラス乍らすてたものでもございませんね。そして、程々ならユーモラスなのもわるくもないと思うのよ、賛成なさいませんか。堂々とした樹と同じ丈堂々と出来っこないのだし、しゃっちこばって堂々めかして勘ちがいしているよりも、分相当に枝もそよがぬ風にこちらの草はちょいとはためいて見たりするのも愛嬌ではないの? ですから、あの歌謡にもあったでしょう? 嵐のさきぶれが大気の中に迫るとき樫の木が笑うと。それはすいかずらがそわついて樫が擽ったいからだ、と。あの通りよ。すいかずらにしてみれば、パタついて、ほれほれと樹に笑われて、一層安堵するかもしれないのね、草にだって神経があるから、神経の鎮撫として、ね。すこしこそばゆくないすいかずらなんか天下にないのよ。耳の短い兎がどこにもいないように、ね。