Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 174.521 Zeichen · 344 Bildschirme
しておいたから、などということになりかねませんでした。こんなことの虫の知らせとは予想もしませんでしたね。きのうばかりは、あなたもふうむ、ふうむとおうなりになったから、気の毒な蘰のさ百合が凋んだのもうべなりでしょう。
疲れたようなところだから、十三日のお手紙にある万葉のうた、くりかえしよみ、いい匂いをかおるようです、うたそのもののまじりけのなさ、そして、其が又書かれているということについての動かされるこころもち。いいこころもち。ね。三つとも燦々として居りますね。(後も逢はぬと思へこそ)の歌に浮ぶいくつかの情景もあります。
そこには、天から芳ばしい紺の匂いが夢のなかにふりかかって来たような朝があります。西日の光に梢のかげがゆらいでいる障子もあります。霧の濃いなかで燃き火の火がボーと大きく見える夜もあります。「うるはしみすれ」というようないい表現を日本人ももっていたのだとおどろきます、心と感覚とが全く一つに発露して居ります。万葉の人々は「昼もかなしけ」と流露して、妹のことばを肯いで(でも追補は書かなかったでしょう)と思ったとき、実に笑えたわ、あの時代の人々は「紫の野ゆきしめの行き」