Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.583 Zeichen · 240 Bildschirme
わたしたちが畑をしているとき、細君は椽にかけてつくろいものをしています、息子はムツという犬を抱いてムツが何か食当りしてくにゃくにゃだと云ってしらべています。都会の人って面白いのね、わたしたちは誰かが土いじりしていると、つい誘われて何かしたくなるのに、町の人ってものは、そういう気分が全くないものと見えるのね。
きのうは、六時頃起きて荷出しにガタガタしたから、何となしうんざりして思い切って成城までモンペとりに出かけました。行ってよかったとくりかえしました。この頃は、わたしの歩く道はどこも焼けっ原で、はげしい人々ばかりで、風呂しきで頬かぶりして歩きます、成城には、まだこわいことが一度もないもんだから、まだ生活を味っている、という空気が往来にも漂っていて、家々の垣根もちゃんと手入れされ、芝生は芝生で日光を吸い、紅梅が咲いたりして居りました、風がなかったので、長い道ものびやかに歩き、親切に友達が縫ってくれたモンペをもらって、夜八時頃はらはらでかえりました、瀧川さんと。
そして、こういうことを思いつきました、近いうちに、ここへ行って、二日ほど泊って、すっかり休んで来よう、と。