Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 50.453 Zeichen · 101 Bildschirme
でもまだ疲労熱を出す。十一月の初旬には退院しますでしょう。スエ子の盲腸は糖尿で切開が望ましくないから、何だかまだおなかが堅いと蒼い顔してフラフラです。太郎は益※(二の字点、1-2-22)愛らしい。可愛い可愛い小僧です。
私の住むところ、国府津を思いついて下さいましたが、私はもうあすこには住めないと思う。父と最後に行って、父のかけた椅子を見ると苦しい。寝室も陰気さの方が勝っている。勉強机など父の趣味で買ってくれたのが置いてあり、やはりそれも苦しい。私は感覚的に肉体的に父を感じているのに、物があってしかも父はいないという感じばかりはっきり迫って来るところは、さすがのおユリも閉口よ。面白いでしょう。これはスエ子も全く同じ心持です。国、咲はちがうの。平気です。彼等はあすこで自分達の生活をやったからでしょう。それに家の前は八間のコンクリートの国道であり、後方には東海道本線が走り、クラウゼ的な丘陵で、落付けません。道ばたのあの土堤や松はもうない。つまり、あったとさえ想像出来ぬように無いのです。ですから私はやっぱり市内に家をさがしましょう。十二月中旬に。ああ私には〔約十五字抹消〕