Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.810 Zeichen · 225 Bildschirme
間に自動車の入る横通りが一つあって、それから先なのに、屋根と梢とでその道路の距離は見えず。眺めていて、あの二階にさした月の光の色をまざまざと思いおこし、ここに今自分たちの生活があること、そうやって昔の家の見えること、それらを非常に可愛らしく思いました。あの屋根とここの濡縁との間にある距離はその位だけれども、私たちの生活は何とあれから動き進み、豊富にされてきているでしょう。そのためどれほどの人間らしい誠実さと智慧と堅忍とがそそがれているでしょう。世間では、私たちをある意味でもっとも幸福な夫婦と折紙をつけています。私はもちろんそれをいやに思ってはききませんが、そういう人々の何パーセントが、何故に私たちが幸福な夫婦であり得ているかという、もっとも大切な点について考えをめぐらしているだろうか、とよく思います。
七月十日づけのお手紙を私は三度や四度でなく読んで、こういう手紙を貰える妻の幸福そしてこわさというものをしみじみと感じました。貴方は何と私を甘やかさないでしょう。(こわいのはむかしからだけれど)あの手紙の中には小さい感情でいえば、普通の意味で、私に苦しい言葉もあった。