Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 374.755 Zeichen · 745 Bildschirme

Aozora Bunko

表現が下手ですが、おわかりになるかしら。いろんなことが、やっと心臓までしみて来かかっている、そういう感じ。吸取紙のようで可笑しい云い方ですけれども。自分で深く感じて来ていることですから信吉や何かの中絶が頭脳的所産であったために切れたということも十分わかります。「伸子」「一本の花」「赤い貨車」(これは当時の過渡性がよく出ている、私の)それらは、皆ハートから書かれている。自然発生的にね。それから一時期、沈み切らないで、今漸々又自分でもやっと力の出し切れそうに思われる沈潜性が、粘りが、絡みが、生じはじめている。何と時間がかかるでしょう。何とあなたの忍耐もいることでしょう! そのために去年という年がどんな重大な一年であったかも思います。そして、面白いことね、思いかえすとき、去年ぐらい苦しかった年というものを、ああこの数年来本当に知らなかったと感じるの。実際又その質に於て、ああいう苦しさは初めてであるのも実際ですが。すこし話が飛ぶようですがそうではなくて、私は今年カーペットを貰っていいと思う。去年にはまだ現れなかった深まり、リアリティーが、夫婦生活に生じていて、たしかに一時期を画していて、今年はあれを貰うだけのよろこびとそのよろこびを最も真面目な努力のための滋液とし得るところへ来ていると思います。