Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 374.755 Zeichen · 745 Bildschirme
。これは夫人が所謂文学的に書いていますが。(そうらしい、一寸立ちよみ)
食べもののことについて書くの、いろいろの心持ですすまず、食べさせたくて口の中が苦くなるからいつも書かないのですが。きょうはとしよりのお献立に、春らしく蕗だの花菜(油菜の花の蕾のついたの)、うど、コリフラワーなどにとりの肉のたたいたのをおだんごにしたのをなべにします。それと胡瓜。これは日本画「蔬菜之図」としておめにかけるわけです。何にしろ、うちの前の通りの古桜が花をつけましたから。そしたらちゃんと雨になる。日本の春の色彩。三月と四月とはお休みの多い月ですこと。一年のうちに一番多い月で、今年は暦の工合で重らず、二日つづきとなっているから。いいような、つまらないような。お休みは一日か二日で十分ね。
花瓶に活けられた花の絵(アネモネのつもり)。
三日
今、妙な服装でこれを書いて居ります。黒い着物に黒い帯、その上に黄色いどてらを羽織って。向いのうちの三宅さんというお役人の家で、十九歳になる三男が盲腸炎をこじらしてねんてんを起し昨日没しました。可哀そうに。おなかが痛いと云っていて、ちゃんとした手当せず、ダラダラのうち手おくれになった様子です。