Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 374.755 Zeichen · 745 Bildschirme
父上はじめ皆に共通である真率さ。あれは島田の宝です。いつかのお手紙で、お母さんから父上のお話もよく承るようにと仰云っていましたが、話は相当伺いました。箇々の場合の、ね。でも、それを一貫した気風とでも云うようなもの、精髄的なもの、つまりテーマは今度の略一ヵ月の間にしっかりと私の感情の上に映され、それを愛すようになり、テーマとして懐姙したわけです。こういう過程は微妙ですね。そしてやっぱり、精一杯の接触をしなければ生じないところ、おろそかならぬものと思われます。私は何年か前から、謂わば大層遠大な志の上に立って島田にはあなたもこうなさるに違いないと思うよう、細々と心をつかって来ましたが、それは、今日の理解や共感に到達するための段階のようなものでもありました。これは、現実的には、お互いっこの効果をもたらしているわけですが。お母さんの側としても、やはり、その段々がおいりになったのですけれども。
ひどい波瀾の世俗の波をかぶりつつ、一家が今日に到って見れば一つも暗くなく、歪んでいず、在り得るのは、結局皆がちっとも斜っかいになったところのない心持でそれを生き通して来ているからであり、精悍なそしてやさしい美しさがあります。