Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 374.755 Zeichen · 745 Bildschirme
なければ、もしそのつもりでいらして行かなければ本当にわるいから、一日早くてもかんべんしていただこうと思って、ドーッと二階下りて、ハンドバッグ出してメモ見たら、ちゃんと「来週水曜日」とかいてあるのです。ああ、ああと、書いてあってよかったと一胸なでおろしました。何かに熱中していると、ボッとなって、急に思い出してかんちがえしたりする。志賀直哉の「狐とおしどり」の話ね、「お前はいつだって思い出さないでいい方ばっかり思い出して、とんまだね」と云われている妻が、良人とおしどりに生れ代る約束して、間ちがえて狐になり、良人のおしどりを見たら、可愛くて、おいしそうで、切なくて、涙こぼしながら到頭たべちまったという話。アンポンは万更ほかにいなくもないのです。メモ大明神でした。
とんまになる原因もう一つ。それはネズミ。三日ばかり前、ふろに入っていて、ふと天井を見たら、天井板のすき間から電気のコードのようなものが見えているが、どうもあやしい、すこし先の方が細くなっているのです。「ちょっと」。寿江子を呼んで、「あれ、何だと思う?」「フーム」。やっぱり同じものと思うらしい。