Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 374.755 Zeichen · 745 Bildschirme

Aozora Bunko

冬はこういう内部的な肉体の恢復というのはおそうございますね。傷のところは大層工合よく肉がもりあがって来ていますが。今の私の体の感じは面白いところがあります。肉体の奥ふかい全体にまだ衝撃の余波がのこっていてとれない、そういう感じです。常に不調和というのではない、調和はとれた感じだが、その水平線が低くて、引潮で、時々ああアと思い出したように肉体の中に疲れを覚える。そんな工合。幸二階は日光が十分さしますから、大体二階暮しでのんきにしています、横になったりよんだりすこし書いたり。そちらではこの冬風邪さえおひきにならなかったのだから本当にようございます。私は自分が病院でいた間どの位それをうれしく安心に思ったかしれません。本当に私はよく気をつけますから、お互に今年は好調にやりましょう。

私の場合について云うと、十二月のダラダラ風邪や今度の切腹やその後のこういうやや弱っている状態は、内部的には様々のプラスとなっているのは興味あることだと考えて居ります。あのダラダラ風邪の間に、去年のうちのいろいろな気持の底がカタリと落ちてどこかシーンとした気持になっていたところへ、切腹で、おちた底の上で引つづき静かな持続的な省察が各面に動いていて、決してわるい状態でないと思われます。