Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 374.755 Zeichen · 745 Bildschirme
そういうすっとしなさの原因を考えて、学び省るところ多いわけですが。あの時分あなたがいろいろ云っていらしたこと、やっぱり忘れることが出来ないから、折々思いかえし、すっとしなかったことの原因にふれて云われているそれらのことは当っていて、そして急にはなおらない、二三年かかると云われていたことの真実もわかります。どの手紙も何だか平らかでない感情の波の上でかかれているような気で思いかえされ、それがいやですね。あなたも恐らく、折々古い手紙くりかえして下さるとして、あんまり去年の分には手がのびますまいでしょう。アッペタイトがおこらない。研究としては又おのずから別ですが。「杉垣」は小さい作品ですが、作家としての私の心持では、去年の手紙がいやに思えるという、そこまで出て来ている心の状態に立って書いているのです。ですから、ひとは何と批評するかしらないけれども自分では心持よいし、先へ仕事をすすめてゆく心の張り合いです。ね、文壇めやすでない、文学のための文学の仕事、そういう仕事の味いというものは、いろいろの時期にその段階で分っているようでいて、さて或時がたつと又新たな実感で分って来るものですね、そこが又面白い。