Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 374.755 Zeichen · 745 Bildschirme
もういつかのように物置小舎が留守の間にカラというようなことはなくなります。こうして暮の用心、ひとりになったときの用心しておくわけです。25円也。家をもっている以上ここはどけませんから。足の都合がよくてね。門のあたりのスケッチ御覧にいれたかしら。ないでしょう? いつか寿江子、踏台にエノグ皿のせてもち出していたが距離がなくて(門前の通り一間ぐらい故)うまくかけないと云ってそれぎりになったようでした。
『新女苑』という女の雑誌に諸名流と門というのが出ています。それぞれの御仁がそれぞれの門に立って文句をかいているの。吉屋、宮城(琴)佐藤(春)林(芙)吉田(絃)里見というような人たち。里見さんだけ格子の前に立っている。婦人雑誌の趣味というものの一端がよく出て居るでしょう? 勅使河原という生花の師匠は生若い大した男ですね。活花のセンスというような表現で、若い女をひきつけているのがよくわかって笑ってしまいました。縫紋の羽織袴、ステッキついてね。この頃三十になるやならずの若い男が日本服袴の(羽織縫紋にきわまったり)流行があって、この間小山書店の若い男余りキチンと袴はいて、そのヒダのような形して玄関に立っているので、どこの何者かと、思わずキッとなって、あとで大笑いしてしまいました。