Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 215.557 Zeichen · 426 Bildschirme
そして、人生は生活されるのだわ。だから、日常のあらゆる些事が同じ些事ながら実質を異にしたものとして、人生の建設として配置され、くり返されてゆくわけです。ブランカは、本能の中にその美しさを嗅ぎつけて居り、其をのぞみ、いくらか丈夫な脚ももっているのですが、昔話の久米仙人のように、雲から片脚はずすことが間々あるのね。ロボーのように堂々として、ゆるぎなく、光のようにまじりけないわけに行かないのは悲しいことです。
金の心、ということが形容でないことを感じるのは何と大したことでしょう。わたしはこの春思わず声に出して、ああ、これこそ純金だ、と感じたことがあります、今もその感じが甦ります。
金に青銅の一定量が混った鉄びんのふたというものが昔つくられました。それは一つの芸術品で、よいふくらみをもった鉄びんに、そういうふたがのると、湯の煮えるにつれて実に実に澄んだいい音がして、気もしずまります。そういうものの一つが、ずっと質のわるいのだがユリのところにあって、冬はよくその音をききました。火鉢にかけて。金だけではそういういい音に鳴れないのよ。質の下ったしかし不可欠の青銅が入らなくなっては、其が音を冴えさせないというのは、面白いことね。