Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうしょうそく

獄中消息

大杉 栄

Lesen Sie 獄中消息 (ごくちゅうしょうそく) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 57.149 Zeichen · 114 Bildschirme

Aozora Bunko

さあ、こう考えると、それからそれへといろいろな心配が湧いて来る。監獄にいるものの頭は、あたかも原始の未開人が天地自然の諸現象に対するがごとく、または暗中を物色しつつ行くもののそれに似ている。何か少しでも異常があれば、すぐに非常な恐怖をもってそれに対する。あとで考えると可笑しいようでもあるが、本当にどれほど心配したか知れない。

一日の面会で無事な足下の顔を見て初めて胸を撫で下ろした。こんどはなるべく注意して不許になるようなことは書かないようにしてくれ。何もそう無暗に長いものを書くにも及ばない。僕はただ足下がどんなにして毎日の日を暮しているか、それがよく分りさえすりゃ満足なのだ。

しかし足下も前の巣鴨の時と違って、こんどはいつも肥え太った、そしてあざやかな笑顔ばかり見せるので、僕は大いに安心している。あの頃から見ると足下も大ぶえらくなった。ただ人の助けを待つ、ということのかわりに、細いながらも自分の腕を働かせて行く。ずいぶん困ってもいるのだろうが、そうピイピイ泣言も言わない。一軒の家に一人ぽっちで住んでいる。これらはとても昔の足下にはできなかったことだ。