Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうせいかつ

獄中生活

堺 利彦

Lesen Sie 獄中生活 (ごくちゅうせいかつ) von 堺 利彦 (さかいとしひこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.443 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

」(これは午後の運動の事をいったので、後にわかる)

「あなた今夜のお菜は何にしましょう。」「なんぞサッパリしたものがいいなァ。」「じゃァやっぱりいつもの沢庵と胡麻塩にしておきましょうね。」

「ああ天ぷらが食いたい。」「おれはタッタ一つでいいから餅菓子が食いたい。」「何も贅沢はいわないが、湯豆腐か何かで二三杯やりたい。」

「これで碁盤の一つもあれば別に退屈はしないがなァ。」「そしてチョイとビールの一本も出て来るとなァ。」「そして林檎かビスケットでもあるとなァ」「そしてお一つ召しあがれなとか何とかいって美しいのが一人も現われて来りゃ申し分なしだろう。」「ハハハハハ、どこまで贅沢をいうか知れたものじゃない。」

こんな馬鹿なことをいっているうちに昼飯になる。昼の菜の当てッこをしたり、昼の菜の一覧表をつくったり、そんなことも消閑の一策になっている。昼飯は十一時で、天気がよければ十一時半から十二時まで運動がある。これは定役のない者、および監房にて役を執る者に限るので、工場に出て役を執る者には許されぬ。

運動は監の周囲にある桐の木の下だの、小松原の芝の上だのを歩くので、やっぱり厳重なる監督の下に、一列になってグルグルまわるのだが、それでも話のできぬことはなし、おりおりは立止って蟻の戦争など見物することもある。