Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうき
獄中記
大杉 栄
Lesen Sie 獄中記 (ごくちゅうき) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.988 Zeichen · 58 Bildschirme
そうなったところで仕方がない、とあきらめても見るが、そうなったのかならぬのか明らかにならぬうちは、やはり不安になる。
やがて堺は無事に満期出獄した。それでこの不安は大部分おさまった。しかしまだ役人等の僕に対する態度には少しも変りがない。僕自身ももう満期が近づいたのだから、出獄の準備をしなければならぬと思って、二カ月に一回ずつしか許されない手紙や面会の臨時を願い出ても、典獄や看守長はそんなことをしても無駄だと言わんばかりのことを言って、一向とり合ってくれない。ただ気の毒そうな顔色ばかり見せている。どうかすると僕一人があの中に入れられるのかな、と疑えば疑えないこともない。が、その後少しも検事の調べがないのだから、とまたそれを打消しても見る。
その間に僕は大逆事件の被告等のほとんどみんなを見た。ちょうど僕の室は湯へ行く入口のすぐそばで、その入口から湯殿まで行く十数間のそと廊下をすぐ眼の前へ控えていた。で、すきさえあれば窓からその廊下を注意していた。みんな深いあみ笠をかぶっているのだが、知っているものは風恰好でも知れるし、知らないものでもその警戒の特に厳重なのでそれと察しがつく。