Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たまとりものがたり
玉取物語
久生 十蘭
Lesen Sie 玉取物語 (たまとりものがたり) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.495 Zeichen · 19 Bildschirme
殿はうちつづく暑気に悩んでほとほとに倦んじられ、「おのれらは、そのうちにとばかりぬかしおるが、おれをば、ふぐり玉の下敷にして殺す気かのう。うちゃもう、この上は堪えてつかわさぬぞ」などとのたまい、桐の夏枕を掴み投げにし、大荒れに荒れたもうた。
そうするところに、殿のふぐり玉に殉死をねがうものが出てきた。戸塚が牛馬のふぐりに執刀を試みていることが、風のように洩れだし、施術が遅れるのはそのせいなりと独り嚥込みし、気の早いのから順番に願書を上げたものであった。
八月 七日 杉浦 三蔵 御側調役
同 九日 生島 孫太 取次下番
同 十二日 矢部国四郎 調役並
同 同 多門 孝平 物頭添役
同 十五日 石井久之助 使番並
殉死願は続々と出て、九月中には二十六人にまでなったが、もとより聞かれるような願いでないから、一、二日手許に止めて置いて、夫々に差戻した。そうすると、こんどは大槻や戸塚の帰途を擁して強請するものが出てきた。いちど出したふぐりが、たやすくひっこまされるかということなのだが、いきり立った荒れ玉をおしなだめるのに、大槻も戸塚も大方汗をかいた。