Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めずらしいさかもり

珍しい酒もり

小川 未明

Lesen Sie 珍しい酒もり (めずらしいさかもり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 5.498 Zeichen · 12 Bildschirme

Aozora Bunko

と、そのものは、つばをしました。

いつしか、日が暮れかけたので、酒もりも終わりを告げ、みんなは、ふたたびどこへともなく散ってしまったのです。

おじいさんは、大きな袋を脊負って、広い雪の野原を通って、破船の横たわる海岸を指して帰りました。袋のすみに、小さな穴の明いていることに気づかなかったから、おじいさんが歩くたびに、黒い種子が、ぼろぼろと雪の上にこぼれたのでした。

ちらちらと、雪が降ってきて、こぼれた黒い種子をみんな隠してしまいました。おじいさんが、袋の軽くなったのに、はじめて、気がついたときは、どうすることもできなかったのであります。

長い冬が、いつしか過ぎて夏がきました。そのとき、いままでさびしかった広い野原に、急に浮き出たように、紅・黄・白・紫、いろいろの珍しい花が、絵のごとく美しく咲き乱れたのでした。

世界じゅうを、あちら、こちら、歩いて、珍しい花の種子を集めて、おじいさんは東の方の故郷へ帰る途中で、この海岸で難船したのでした。

王さまは、その話を聞かれると、気の毒に思われ、厚くおじいさんをいたわられて、船に乗せて故郷へ帰してやられました。