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Japanische Klassiker mit Furigana

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げんだいしょうせつてんぼう

現代小説展望

豊島 与志雄

Lesen Sie 現代小説展望 (げんだいしょうせつてんぼう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 35.254 Zeichen · 70 Bildschirme

Aozora Bunko

そしてこの態度は、単に外界に対するばかりでなく、自分自身に対するものともなる。観察眼が自分自身にも向けられて、自分が如何に悲しみ喜び或は行動するかを、冷やかにじっと見守るようになる。田山花袋は、実際に行動する自我を小我と名づけ、それを見守る自我を大我と名づけて、小我を没して大我に就くべきを説いた。たとえ自分自身のことを書こうとも、一人称の小説を書こうとも、この大我についておれば、全主観を没した客観描写が出来るというのである。

産気が次第についてきた。お銀は充血したような目に涙をためて、顔を顰めながら、笹村の仮した手に取着いていきんだ。その度に顔が真赤に充血して額から脂汁が入染み出た。いきみ罷むと、せいせい肩で息をして、術なげに手をもじもじさせていた。そして時々頭を抬げて、当がわれた金盥にねとねととしたものを吐出した。宵に食べたものなどもそのまま出た。

…………

産婆が赤い背の丸々しい産児を、両手で束ねるようにして、次の室の湯を張ってある盥の傍へ持って行ったのは、もう十時近くであった。産児は初めて風に触れた時、二声三声啼立てたが、その時はもうぐったりしたようになっていた。