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Japanische Klassiker mit Furigana

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げんだいにんじゅつでん

現代忍術伝

坂口 安吾

Lesen Sie 現代忍術伝 (げんだいにんじゅつでん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.446 Zeichen · 155 Bildschirme

Aozora Bunko

「目の下に見える丘陵地帯、あの全体の杉とヒノキはオレが買いつけとる。君らに売りつけてやろうというのは杉材だが、これはオレの今やっとる仕事にむかん。商業は有無相通ずるところに妙味があるから、諸君に一カク千金のチャンスを与えてやる。作業場に現場の技術家がおるから、こまかく説明してくれるが、だいたいオレが諸君に放出してやろうと思う杉材は、さっきも示したあの一帯、あれで六万から七万ちかい石数があるそうな。自動車で一周しても相当の時間を食うミチノリじゃ。あれを放出してやる」

放出とは、うまい新語があるもの。平和の時代の言葉ではない。配給という特殊時代の言葉と共棲する単語で、ヤミという言葉と同じように、いずれは平和な人々には理解できなくなる言葉である。長範のような人物に限って、こういう時代にしか生きていない言葉を用いる。

「天草クンは製材所の倅だそうだな。天草商事は製材もやっとるから知っとるだろうが、今の相場で製材所の買い値が、杉ヒノキ五六寸の小丸太が六百円というところだな。七八寸が八百、尺上で千円。いゝところだ。尺五上が秋田営林署で千五百円で出しとる。キミは秋田に製材所をもっとるから知らんことはあるまい。