Japanische Klassiker mit Furigana
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こはくのパイプ
琥珀のパイプ
甲賀 三郎
Lesen Sie 琥珀のパイプ (こはくのパイプ) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.109 Zeichen · 37 Bildschirme
支配人は曲者が逃げ出すと、急いで助かった宝石を金庫の中へ投入れて、金庫を閉めるや否や、曲者を追ったのである。
多くの社員が駆付た時には、兇漢は岩見の風を装い、支配人が負傷でもしたような事を叫びながら、部屋を飛び出したので、社員一同まんまと欺かれ、室内に這入って再び岩見をみるや唖然とした次第である。曲者は遂に見失ってしまった。然し支配人は兎に角宝石に間違のなかったのを喜んで、騒ぎ立てる社員を一先ず制して、自分の部屋に帰り、念の為再び金庫を開いて調べてみると、支配人が大急ぎで金庫に投げ入れた宝石の一つ、時価数万円のダイヤモンドが一顆不足していた。機敏な曲者は支配人が金庫へ入れる前に、既に盗み去ったと見える。
急報に接して出張した係官も一寸如何して宜いのか分らなかった。支配人と岩見とは厳重に調べられたが、支配人の言は全く信用するに足るもので、岩見も当時殆ど人事不省の状態にあったのであるから、これ亦疑をかける余地がなかったのである。
銀座街に於ける万引嫌疑者岩見がこの白昼強盗事件の関係者である事を知った警部は、一層厳重に訊問したが、彼は何処までも買物等をした覚えは一切ないと抗弁するのであった。