Japanische Klassiker mit Furigana
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こはくのパイプ
琥珀のパイプ
甲賀 三郎
Lesen Sie 琥珀のパイプ (こはくのパイプ) von 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.109 Zeichen · 37 Bildschirme
聞けば青木は一寸家に寄って来ると云うので、彼の家の前で別れたそうであった。二時に青木が帰って来た。間もなく次の番の人達がやって来たので、暫く話してから私と松本は番小屋から左へ、青木は右へと別れたのである。私達が丁度自宅の前辺り迄来た時に、遙かに吹き荒ぶ嵐の中から人の叫声を聞いたと思った。
二人は走り出した。番小屋の人も走り出した。見ると青木大佐が夢中で火事だ※(感嘆符二つ、1-8-75) と叫んでいる。私はふと砂糖の焦げるような臭を嗅いだ。砂糖が燃えたなと思った。我々は近所から駆けつけた人々と共に、予て備えつけてあるバケツに水を汲んで嵐の中を消火に力めた。
大勢の力で火は大事に至らずして消し止めたが、焼けたのは問題の福島の家であった。台所から発火したものらしく、台所と茶の間、女中部屋を焼き、座敷居間の方には全然火は及ばなかったのである。
働き疲れた人々は大事に至らなかった事を祝福しながら、安心の息をついていた。私は家内があまり静かなので、変に思って懐中電燈を照しながら、座敷の方へ這入って行くと、丁度居間との境とも思われる辺に、暗黒な塊が横わっていた。