Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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びわこのみず

琵琶湖の水

中谷 宇吉郎

Lesen Sie 琵琶湖の水 (びわこのみず) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.773 Zeichen · 20 Bildschirme

Aozora Bunko

小便で増す水嵩よりも、蒸発で減る水嵩が三十万倍も大きいとすると、「極めて少量ではあるが、いくらかは増す」という答がまちがっていることは明らかである。

しかしこういう抗議が出るかもしれない。蒸発はどうせあるのだから、蒸発で減る分量の極く一部が小便で補われて、「幾分かは減り方が少なくなる。それがいくらかは増すという意味である」という議論である。しかしそれも困るのであって、今言った蒸発量は平均の値である。本当の蒸発量は、気温、風、湿度、日射などによって著しく変化する。その時その時の気象条件によって、一万倍から百万倍くらいの間に変化するので、その平均が大体三十万倍くらいになるのである。それで今の例は、一日に一万円から百万円の範囲で損をしながら、一円もうけた場合、財産がどうなるかというのと同じ問題になる。損をする額が非常に大きくしかも一定でないのであるから、一円だけ損の仕方が少ないとも言えないわけである。

こういうとまた次のような抗議が出るかもしれない。「琵琶湖に小便というような問題に対しては、何もそういう実際問題として答えているわけではない。蒸発だの河水の流入流出だのが全然ない場合を仮定して、そういう理想的な場合について、理論的にいって、その分量はいくら少なくても、とにかく小便の分量だけ水嵩が増すと言っているの