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Japanische Klassiker mit Furigana

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うりのなみだ

瓜の涙

泉 鏡花

Lesen Sie 瓜の涙 (うりのなみだ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.247 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

暑さに憩うだけだったら、清水にも瓜にも気兼のある、茶店の近所でなくっても、求むれば、別なる松の下蔭もあったろう。

渠はひもじい腹も、甘くなるまで、胸に秘めた思があった。

判官の人待石。

それは、その思を籠むる、宮殿の大なる玉の床と言っても可かろう。

四

金石街道の松並木、ちょうどこの人待石から、城下の空を振向くと、陽春三四月の頃は、天の一方をぽっと染めて、銀河の横たうごとき、一条の雲ならぬ紅の霞が懸る。……

遠山の桜に髣髴たる色であるから、花の盛には相違ないが、野山にも、公園にも、数の植わった邸町にも、土地一統が、桜の名所として知った場所に、その方角に当っては、一所として空に映るまで花の多い処はない。……霞の滝、かくれ沼、浮城、もの語を聞くのと違って、現在、誰の目にも視めらるる。

見えつつ、幻影かと思えば、雲のたたずまい、日の加減で、その色の濃い事は、一斉に緋桃が咲いたほどであるから、あるいは桃だろうとも言うのである。

紫の雲の、本願寺の屋の棟にかかるのは引接の果報ある善男善女でないと拝まれない。が紅の霞はその時節にここを通る鰯売鯖売も誰知らないものはない。