Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

仕向けさしまして遂にわたくしはこの寮の客となってしまいました。

「あんな雑魚寝の宿のようなおっかさんの家にいては、蝶ちゃんの性格は害されるよ。しばらくでもいゝ、こゝへ移って来て、学校へでも何でもこゝから通い給え」

池上の言い分はこうでした。わたくしは母にまさか、その通りにも言えませんから、ただ池上が勧説したことだけを母に申しますと、母は「ふーむ」と鹿爪らしい顔で諾いていましたが、顎を大きくしゃくって、

「いよ/\あの男は、本気になってそう言い出したのかい。いゝよ、お出で。素直におとなしくお出で。だが――」

と言ったが、ちょっとあたりの気配を探る眼をした後、わたくしの肩へ手をかけ、わたくしの耳を自分の口に近く引寄せまして、

「おまえさんも、もう十八だろ。ちゃんとしたお嫁さんになるまでは、誰にも騙されちゃならないことぐらい心得てるね」

わたくしは、おなかの中でおかしくなりましたので、

「あら、そんなことちっとも心得てないわ」

と、天井を斜に仰いでわざとあどけなく言ってやりますと、訝しそうにわたくしの表情を、と見こう見していた母親は、やがて莞爾と笑みかけたいのを、ぐいと唇の両角を引締め、それから言いました。