Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
短かいことゝ本能の関係を鳥の鳴声に比喩を持って来るところがこの異人さんの著者の手柄だ」
わたくしは池上の言うことにたいして関心もなく、たゞ言葉敵となってやるため、
「だって、鳥の鳴声でもカナリヤなんか、随分長いじゃないの、陽のあるうちは日がな一日鳴いてるわ」と言いますと、
池上は反問するように、
「え、なんだって」と、仰向いて来て、ちょうど二度目にわたくしが欠伸のために擡げ上げている左の肘の附根の八つ口が少し綻びて、いくらか不断より肌が現れていますのに眼が触れますと、じーっと眼を据えて見入りました。わたくしは周章てゝ、
「あら、人のアラを見ちゃ嫌よ」
と言って押え隠しますのを追って突き倒すような語気で、
「ばか、自分の膚なんか、ひとに見せるもんじゃない」
と言ったかと思うと、ちらりと庭の柴の橋詰の方を見ました。そこには霜除けの藁づとなどを取り払っている植木屋の若者がいました。そのあと池上は、続いて喚きたいような力を無理に堪えるものゝように、べそを掻いて歪んだ時のような顔を急にうつ向かすと、ふら/\と立って縁側を蹴立てゝむこうの座敷へ行ってしまいました。
わたくしは池上のこの素振りにはたいして驚きませんでした。