Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
それを思い出すことによって、この男の秋田人らしいのを思い当てましたことが何となくおかしく、うつ向いて笑いを堪えていますと、嘉六は感違いして、
「お蝶さん、そりゃほんとでございますよ。よそ様で酒の肴にごて/\と喰われもしない皿数を並べて下さいますが、実際、有難迷惑なものですわ」
それよりか、菜の浸しもの、豆腐、おすんこ、このどれか一つあれば、私には何よりでございます。酒の肴は品数を省くほど酒の味は深くなるんですよと言った。
「という調子で、この人はとう/\自分の家庭までも省いてしまったんだから、趣旨は徹底している」
と、池上が透さず半畳を入れました。
すでに、主従の畳の酒盛りは始まっていました。嘉六は片手に盃を、片手では額を押えて、ちっ/\/\と笑って、
「省くにしても、少し省き過ぎましたな。なにしろ嚊をゼロにしてしまったんですからなあ」
と言った。
池上は「僕はたったいま朝飯を済ましたばかりだから」と言いながらも、嘉六の差出す盃を相当に数を返して受け押えしています。春先の町の景気の話が嘉六によって賑々しく伝えられます。やがて池上は「酒の肴は君にはこれでもよかろうが、僕にはとてもやり切れないから」