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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme

Aozora Bunko

と言うのでした。わたくしは、思い切って絵葉書を破り捨て、やおら立上って覚束ない口振りを真似、

「さあ、やりましょーう」と言うのでした。

考え始めたら切りがありません。それを打切るには、たゞ、眼の前の事に向って、こう言うより仕方がないじゃございませんかしら。わたくしは、そうして潔く諸肌脱ぎになり、物憂い身体を化粧の鏡台に向って坐り直すのでした。

たとえ池上は解放令をわたくしの上に布いたにもせよ、まだ/\長い時間や遠出の外出をわたくしに許しませんでした。許さぬという形を採るのではないけれども、そうすることは、とても自身に傷ましい感じを与えることを彼は露骨にわたくしに示すことによって結局はわたくしを制肘してしまうのでした。

なに、あと幾日の辛抱でもなし、わたくしはそう諦めて、なるべく神妙に寮にいて、わたくしに向って求め始めた、何とも知れない彼の望みに就ての悩みに、たゞ相手になっていてやるだけのお守役を勤めてやるのでした。一つは、いくら解放されるからといっても、また元のあの得体の知れない倶楽部のような母の家へ帰る事はどう考えても気が乗りません。そこに、わたくしをして、それほど強い羽搏きをしたがらせず、神妙に寮に落付かせている鬱陶しいゆとりをあらしめたのでございましょう。