Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lesen Sie 生々流転 (しょうじょうるてん) von 岡本 かの子 (おかもとかのこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 297.521 Zeichen · 586 Bildschirme
蝶ちゃんは、僕の憔悴を軽蔑する。しかし、僕はこの頃ぐらい生れて始めての生々した自分を感じつゝあることは無いのだ――葛岡はそう言って、傲然と天井を打ち仰ぎました。
わたくしも、葛岡とお交際いにフォークとナイフを手にして皿の食品を食べていました。ふと気がつくと、あれほどガツ/\食べ始めた葛岡が、いかに話に実を入らせるとて、オードウヴルとポタージュのスープを啜った後は急にテンポをとゞめて殆ど皿の肉類には手をつけず、付け合せのつまばかり緩慢に拾って食べているのに呆れました。それであまり手早くもないわたくしの食べ方よりも、とかく遅れ勝ちになってウエーターを間誤つかせています。わたくしは、何と言っても葛岡は衰えたなと思わないわけにはゆきませんでした。
それともう一つ異様に思ったのは、たった逢わない四ヵ月の間ではあるが、葛岡の考えなり喋り方がまるで人が違ったように近代的に迫ったインテリ風のところが夥しく現われて来たことです。以前の葛岡はと言えば、どんな感情を示す場合にも野の木のようにどこか朴々として簡単に生え切りのところがあり、言葉も、理論や抽象を借りなければ説明し切れないほどの複雑な内容は盛り得ませんでした。